(1)自己管理方策の意義

キャリア・カウンセリングの究極の目的は、最終的にはクライエントが、自分の人生を自分でコントロールし、誰の援助もなく「自分のなり得る人間」に向かって機能できるようになることである。いつまでもカウンセラーに依存するのではなく、クライエントが自分自身の問題を発見し、それを分析し、目標に達するために方策を選び、それを実行するようになること、すなわち自己管理能力を身につけることである。自己管理方策の本質は、ある目的のために、個人が自分の生活を方向づけることである。就職の場合で言えば、必要な技能取得のために毎日一定時間学習する、就職のために情報を収集する、就職に役立つ人に計画的に面会するなどの具体的行動を継続的に行うことである。自己管理方策は、自らの行動観察、自分の置かれた状況要因の管理、及び結果に対する評価と報酬を、カウンセラーが提示したり用意したりするのではなく、クライエント本人に任せることである。

 

(2)自己管理方策のプロセス

自己管理方策の具体的手法は、基本的には先に述べた学習方策と同様である。一般的に次のプロセスをとる。

① 意思決定、学習、行動変容などの諸技法をクライエントに教える。

② クライエントに自分自身の変化をチェックさせる。その中には、行動がどう変わったか、環境をコントロールできるようになったか、どんな報酬を得られたかなどが含まれる。

③ カウンセラーは、クライエントが必要としたとき、側面から援助、勇気づけ、示唆を与える。